Viewing entries tagged
#7bookcovers

Comment

【7日間ブックカバー】5日目 - イサク・ディーネセン(Isak Dienesen)の『アフリカの日々(Out of Africa)』

IMG_8462.jpg

Facebookの仲間達からバトンが渡されて7日間ブックカバーを開始。これは備忘録として記録しておきたい。

41J3CK5850L.jpg

【7日間ブックカバー】5日目 - イサク・ディーネセン(Isak Dienesen)の『アフリカの日々(Out of Africa)

昨日ヘミングウェイの遺作を紹介したけど、ディーネセンは、ヘミングウェイが20世紀最高の「Story teller」と評し、実際1954年ヘミングウェイは彼女とノーベル文学賞を争い、彼が受賞した。

1885年生まれの彼女は、28歳の時にスウェーデンの貴族と結婚し、本名はカレン・ブリクセン(Baroness Karen von Blixen-Finecke)。但し20世紀初頭という女性の地位が低い時代、小説は男性名のペンネームのディーネセンを使っていた。

1937年に出版された 『アフリカの日々』は、1914年から1931年の17年間の彼女のアフリカでの農場経営を元に書かれているが、1985年に映画化されたハリウッド映画『愛と哀しみの果て』とは大きく異なる(私は小説を先に読んで映画を見たのでかなり驚いた)。彼女はアフリカ時代に夫と離婚し(夫から梅毒をうつされて後年病気に苦しむ)、単身で農場経営を試みるが失敗し、デンマークに帰国した。

小説は、アフリカの風景、人々、動物たちに対する彼女の畏怖と愛情を、独特の切れ味鋭い描写で綴る壮大アフリカ叙事詩で、映画のようなロマンチックなお話ではない。

私が好きな理由は、昨日紹介した『海流のなかの島々』も然りだけど、文章を読み進めると、アフリカの大地の匂いを実感出来るところ。また叙事詩と言っていいほどの詩的表現も実にいい。

私の夫はデンマーク系のアメリカ人で、デンマークへの親近感もあるが、それとは’関係なく、彼女の他の小説も含めて(『七つのゴシック物語』、『バベットの晩餐会』)、読んで、物凄く面白い。ヘミングウェイに言われるまでもなく、彼女は「Story teller」として、本当に20世紀を代表する作家だと思う。

PS:映画『愛と哀しみの果て』の日本公開時に英語読みの「アイザック・ディネーセン」という誤表記が広まり、定着した(アイザック=英語読み、ディーネセン→ディネーセン=デンマーク読みの誤表記)

【目的とルール】
●読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する
●本についての説明はナシで表紙画像だけアップ(書いても良い)
●都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする

【バトン】
バトンは、私の仲良し友達の1人 Qanta Shimizu さんに渡します。日米両方で会っているけど、1月にはSt Georgeの我が家にもCESの帰りに来てくれた。もう体調は良くなったと思うので、お気に入りの本の紹介、お願いします。

#7days #7bookcovers
#BookCoverChallenge #day5

Comment

Comment

【7日間ブックカバー】 4日目 - アーネスト・ヘミングウェイ(Earnest Hemingway)の遺作(最後の小説)『海流のなかの島々(Islands in the Stream)』

IMG_8462.jpg

Facebookの仲間達からバトンが渡されて7日間ブックカバーを開始。これは備忘録として記録しておきたい。

51IXZf6JK-L.jpg
512ZjT9vpAL.jpg

【7日間ブックカバー】4日目 アーネスト・ヘミングウェイ(Earnest Hemingway)の遺作(最後の小説)『海流のなかの島々(Islands in the Stream)』

この小説はヘミングウェイが1950年から1951年にかけて書いた作品で、1961年彼が自殺した時に原稿のまま残されていた。彼の死後、妻のMary Hemingwayによって発見され1970年に出版された。

主人公は、ヘンミングウェイの自画像に近い画家トマス・ハドソン、当初は"The Sea When Young"、"The Sea When Absent"、"The Sea in Being"という副題の3部構成で、その後名称は"Bimini"、"Cuba"、"At Sea"と変更された。4番目にあたる部分が、生前『老人と海(The Old Man and Sea)』として、1952年に出版されている。1977年にGeorge C. Scott主演で映画化された

私がこの小説が好きな理由は、海洋の波や飛沫や風や太陽といった自然を直截的に感じられて、読み始めた途端に自分がカリブ海の海流の中に溶け込んだような感覚を感じたこと。ヘミングウェイの人生そのものを知っているせいか、彼と主人公の姿がダブり、人が生きて死ぬというコトを考えさせる。

これを読んだ時は、まだセーリングをしていなかったが、母の故郷の伊豆大島でいつも夏を過ごしていた海洋大好き人間としては、お気に入りの小説。日本語訳しか読んでいないので、これを機に英語で読もう

PS:日本語版のカバーもいいけど、オリジナルの海図を使った表紙が実にいい。

IslandsInTheStream.jpg

【目的とルール】
●読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する
●本についての説明はナシで表紙画像だけアップ(書いても良い)
●都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする

【バトン】
バトンは、私の大切な友達の1人のKenichi Kikuii さんに渡します。私が珍しくちょっと困った時に、思わずメッセージして、想いをダウンロードする相手。お願いします。

#7days #7bookcovers
#BookCoverChallenge #day4

Comment

Comment

【7日間ブックカバー】 2日目 - 高橋克彦『楽園にようこそ』

IMG_8462.jpg

Facebookの仲間達からバトンが渡されて7日間ブックカバーを開始。これは備忘録として記録しておきたい。

IMG_8458.jpg

【7日間ブックカバー】2日目 -  高橋克彦『楽園にようこそ』

高橋克彦による2007年のエッセイ『楽園にようこそ』。私は彼の小説『火怨 北の燿星アテルイ』、『炎立つ』、『天を衝く』といった東北を舞台にした小説が大好きで、更にそれ以外の彼の想像力が羽ばたく伝奇小説も含めて大ファンである。

理由は、彼が勝者によって改竄或いは抹殺された歴史を、彼独自の歴史観で掘り起こし、小説家としてのクリエイティビティで、素晴らしい「物語」に仕立て、私達を楽しませてくれるから。

このエッセイの中には「滅ぼされた楽園」という章がある。

「なぜ東北は執拗に攻め滅ぼされなければならなかったのか。それへの問いかけが私のスタートとなった。歴史的資料の乏しさが壁となってはだかっている。仕方なく伝説や民話を手がかかりとして東北を歩き回っているうち、天啓のごとく閃いた考えがある。東北には縄文時代のシステムがそのまま生き長らえていて、稲作という管理社会が基本である弥生以降の国家にとって最大の脅威ととらえられていたのではないか。狩猟採集を基盤とする縄文世界は稲作文化と違って土地に縛られず、搾取構造にもならない。上下の人間関係も成立しない。ある意味で理想的な社会主義を実現できる。家族単位の行動が軸となるから疎外や競争も生まれない。それがわずかの範囲内のことであるなら無視もできようが、東北という広大な土地にそういう自由を満喫している人々が暮らしていることは、集権国家にとってまさに見過ごすことのできない大問題であったのだ。

私は日本の歴史における東北の位置づけに、非常に興味を持っており、高橋克彦ではないが、なぜ日本の政府は常に東北に攻め込み、彼らを蔑み、敗者扱いしようとしたのかが、疑問だった。その答えの1つは、このエッセイの中にある。また東北に関心を持つと、必ず自然と共棲して豊かな文化と生き方を構築して、人生をエンジョイしていた縄文文化に行き着く。今のような時代には、立ち止まって、悠久の歴史を紐解くのもいいと思う。まずは、このエッセイで「楽園」とは何かを読んで欲しい。表紙と裏表紙に書かれている言葉も読んで。

IMG_8459.jpg

【目的とルール】
●読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する
●本についての説明はナシで表紙画像だけアップ(書いても良い)
●都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする

【バトン】
バトンは、私の大切な友達のYamamoto Shogo さんに渡します。昨日はZoomで奥さんも含めて、4歳の娘さんと1歳の息子さんと対面してお喋りしました。娘さんは車で我が家に遊びに来ると言っていたけど、多分飛行機だと思う(笑い)。彼との付き合いも長く、今は素敵な家族を持って何より。起業家のしょうごさん、お願いします。

#7days #7bookcovers
#BookCoverChallenge #day2

Comment

Comment

【7日間ブックカバー】 1日目 - 長谷川卓の『嶽神』シリーズ

IMG_8462.jpg

Facebookの仲間達からバトンが渡されて7日間ブックカバーを開始。これは備忘録として記録しておきたい。

IMG_8452.jpg

【7日間ブックカバー】1日目 - 長谷川卓の『嶽神』シリーズ13冊(上下巻があるので実際には8冊)

長谷川卓の『嶽神』シリーズ13冊(上下巻があるので実際には8冊)日本の戦国時代は殆どが武士の歴史や視点で書かれてあるが、このシリーズは里から離れて山と共に暮らす「山の者」から見た戦国の世。山の者たちの生き方は、まさに自然との共棲で、自然を畏怖し感謝し、エコロジカルに生きている。

コロナ禍で崩れ落ちた20世紀の負の遺産を清算して、今までできないと言い訳をしていたことを、いい訳なしで実行していかなければならない今に、ぴったり。どの本を読んでも全てが面白く、寝るのを惜しんで一晩で読んでしまえる。

写真は左から時代順に並べているので、まずは『血路』が始まり。駄文とも言えないような文章で作家と称する人が多い中で、群像新人賞を受賞し芥川賞候補にもなっている長谷川卓の文章は、命懸けで文章修行した作家だけが持つことのできる文体なので、読むに値する。

IMG_8453.jpg

【目的とルール】
●読書文化の普及に貢献するためのチャレンジで、参加方法は好きな本を1日1冊、7日間投稿する
●本についての説明はナシで表紙画像だけアップ(書いても良い)
●都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする

【バトン】
バトンは、私の大切な日本の友人達の1人であるKenji Sudo さん。彼と一度2人きりでかなり深い話をしたことがあるけど、彼はとっても奥が深い。お願いします。

#7days #7bookcovers
#Bookcoverchallenge #day1

Comment