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コロナ禍でのアメリカ生活⑲「5月になったからって、どこが4月と違うの?アブナイ、アメリカの規制緩和」

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昨日は夫と2人で1週間分の食料の買い出しに出かけた。2人が大いに驚いたことは、規制緩和が出た途端、多くの人がマスクを掛けずに店の中を歩きまわり(店にはマスク着用お願いの張り紙で出ている)、また住人以外のバケーションで来ているような人達を見かけたこと。夫はキャッシャーで待っている時、後ろの男性がマスクを掛けずに大きなくしゃみをしながら、手で顔をこすり、小さな娘に大声で話しながらふざけているコトに、憤っていた。

5月と4月の感染状況は何も変わっていない、むしろ悪化している地域が多い

以下は、5/11現在でNY Timesのまとめによる現在Reopen及びシャットダウンしている州の表である。黄色の西海岸と東海岸の北部、5大湖周辺のMidwestの州のみが、シャットダウンあるいは制限を加えている州で、ブルーの州はすでに部分的にReopenしており、うすい水色の州もじきにReopenする州である。

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実に危ないと思う。5/11時点で米国全体の感染者数は137万6,849人、昨日新たな感染者9,210人、新たな死者が395人が加わり、死者合計は8万1,182人である。以下のグラフは、合計死者数の推移と1日当たりの死者数の推移である。どちらも、4月に入って急上昇しており、5月に入っても特にその傾向に変化はない。

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根拠なき州ごとのReopen

科学的な事実を元に、各州知事がReopenを決めたわけではなく、多くの州はこれ以上経済的な打撃を受けることを避けたいがために、シャットダウンを解除して、制限付きReopenに入っている。実際これによって、感染者数と死者数はまた急上昇する可能性を秘めている。いや、秘めているといった言葉ではなく、必ず起こりえる現象だと断言できる。

なぜならば、悲しい事ながら、多く人達は論理的に制限解除を受け止めず、感情的に自分が自由に行動したいという欲求の元で、これを歓迎している。また大統領や州知事が5月からReopenと言っているんだから、我々はそれに従うという、無責任な政府への責任依存が、これを支えていると思う。

テストやトラッキングをしていないから数が少ないだけで、感染が広がっているかどうかは誰もわからない

我々が住んでいるUtah州は共和党の政治家に支配されており、多くの州がシャットダウンをした時も州知事はそれを実施しなかった(勿論、郡ごとに制限が異なり、州知事以上に制限をして感染拡大を防止した郡もある)。それでも、現在発表されている感染者数は、6,251人で死者数は67人と非常に少ない。これはテストもトラッキングもまともにしていない以上、あまり信頼できる数字とは言えない。

また海岸沿いの州と異なり、Salt Lake Cityを除けば、多くのUtahの街は、都市と言えるほど人口が密集していないので、生活そのものが自然に「Physical distancing(物理的距離)」を守れるので、感染数は少ないのかもしれない。但し、昨日のスーパーマーケットを見る限り、バーケーションで訪れる人達(移動によるウィルスのデリバリ)もいれば、マスクを外して動き回る人達も見かけた以上、今後の感染拡大はかなりの規模になることは予想出来る。

病院のベッドはコロナに限らず、あらゆる病気の人達のためにリザーブすべき

マーケットから帰宅し、憤慨していた夫から、何年振りかに非常に悪い言葉(彼は私の前では滅多に使わない)が発せられた。夫は「なんて無責任なんだ。自分達の事のみを考えて愚かな行動をしている。重要なことは、これ以上、己の愚かしい行動で、病人のためのICUやベッドを使うといったことを起こさないようにするコト。物理的に働く必要のある人は、勿論そうすべきだし、それ以外のオルタナティブがある人は自宅から働けばいい。それとは別な問題で、消費行動や社会行動における各々の自分勝手で無責任な行いが、どれだけ病人やエッセンシャルワーカーの負担になると考えるアタマはないのか?」と怒鳴っていた。私もTotally agree with himである。

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コロナ禍でのアメリカ生活⑪「結局環境問題って、人間が社会活動を停止すると解決されるってこと?」

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インドのパンジャブ州で、200 km近く離れたヒマラヤ山脈が数十年ぶりに見晴らせるようになる

インドでは2週間以上前からLock down(都市封鎖)に入り、首相は国民の外出を全面的に禁止すると発表していたが、これにより、インド全域における大気汚染が大幅に改善されたらしい。CNNの記事によれば、パンジャブ州で200 km近く離れたヒマラヤ山脈が、ほぼ30年ぶりに見晴らせるようになったと報じている。

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インドではこの都市封鎖で工場は閉鎖され、車利用がなくなり、航空機運行停止などで、大気汚染が劇的に改善されているらしい。CNNは、規制が始まった初日に微小粒子状物質「PM 10」が最大で44%減少し、全土のLock downの1週目には、85都市で大気汚染が改善したと伝えている。

中国の大気汚染は、コロナ禍による人間の社会活動の停止で劇的に改善

コロナ禍の生活が始まり、夫も私も「今一番喜んでいるのは地球そのものだろうね。人間が社会経済活動をスローダウンあるいは停止すれば、地球の環境リソースへの負荷が極端に減るもんね」と話したことを思い出す。インドと同様に、以下のNASAの画像は、中国の大気汚染が、コロナ禍による人間の社会活動停止で、如何に減ったかを如実に証明している(2020年1月と2月の比較)。

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人々は生活のためと称して、地球環境に滅茶苦茶重い負荷をかけて生きている。

2019年はGreta Thunbergの年と言われるくらい、17歳の少女が環境問題解決の緊急性を世界に提起したが、実は地球(ガイア)のほうがとっくに、人類という、地球史上稀に見る自己中心の動物にあきれ果てて、リセットする段取りをしてしまったと言えるような気がする。人類史は「疫病」との戦いと言っても過言ではない。地球(ガイア)は、しょうがないここまでのさばって改善する気がないなら、定番だけどかなり強めの「疫病カード」を出しましょう、と言って、さっとテーブルに置いてしまった。

過去100年ぐらい、このカードをマジに見たことがなかった人間達が、右往左往するのを、どこかで冷たい眼差しで見つめているような気がする。人と人とが近距離で接するという、人類が最も好きな行為を媒介として拡散するウィルスは、実に防ぎにくい人類の敵である。

地球(ガイア)もリセットしたがっているんだから、我々もしなきゃ

「欲望の肥大化」という言葉を、久しぶりに思い出した。大学時代、マスメディアとマスコミュニケーションを専攻していた時、確かゼミナールの原書購読(英語書籍の原文を読む)で学んだような気がする。限りなく肥大化する人間の欲望っていうやつは、現在テクノロジーによって、誰もがとてつもなく肥大化させてしまい、「便利で簡単に何でも手に入る、或いは出来ちゃう時代」を、現出させてしまったということだと思う。これは滅茶苦茶、地球環境に負荷をかけて、いくらそれを防ごうとしても、既得権と利害関係まみれての政治家や企業家によって、そう簡単に元に戻せないのが現状である。地球(ガイア)が、「OK,じゃあ、わしのほうでやってあげる」と決めて、実行したような気がする。

この状況をくぐりぬけた先は、今までなんだかんだ理屈や理由をつけて、社会全体の仕組みの変革を拒否していた輩に対して、俯瞰で眺めながら、構造改革をするといったMovementが必要だと思う。こんだけ、みんなが制限の中で真面目にコロナ禍に立ち向かって生活し、さらに真っ先に影響を受けて失業した人達は日々の生活にも事欠く生活をしている。いつまでも、現状維持をしていては、また同じことが起きる。リセットしようよ、今がその時期なんだから。

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コロナ禍でのアメリカ生活⑨「歴史を動かす感染症への答えは歴史の中にある」

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昨日自主隔離中だった英国首相Boris Johnsonの入院のニュース(集中治療室に移動)を目にして、チャールズ皇太子も感染し自主隔離しているというコトを知り、感染症の持つチカラを改めて考えてみた。

様々な感染症が常に世界中を襲い続けているけど、史上最も有名なパンデミックは1334年に始まった「黒死病」と呼ばれたペストで、アジアとヨーロッパで猛威を振るい、2,500万人の死者を出したという。英王室には、こうした悪名高い感染症の悲劇に随分あっている。今朝目にしたNational Geographicの記事によると、以下のよう事例があげられる。

英国王室のペストによる死亡:

1327年即位のイングランド王エドワード3世は、英国王族として初めて黒死病(ペスト)で近親者達を亡くす。1)スペインのカスティーリャ王ペドロ1世と結婚する旅の途中、14歳の娘ジョーンはペストで死亡。2)ペドロ1世の父アルフォンソ11世も、ジブラルタルをムーア人から取り返そうと包囲している最中ペストで死亡。3)1394年エドワード3世の孫息子である国王リチャード2世も妻をペストで失う。4)100年近く後の1492年、エドワード4世の王妃エリザベスがペストで死亡。

英国王室の天然痘による死亡:

1)1552年国王エドワード6世は、14歳の若さで天然痘とはしかに倒れ、すぐに回復したが翌年結核で亡くなった。これにより男性の王位継承者がいなくなり、異母姉のメアリー1世が即位。1558年メアリーが死去すると、王位に就いたのが女王エリザベス1世。2)彼女は29歳の時に天然痘に罹患し、周囲は及び女王自身が死が近いと思ったが、彼女は病を克服した。但し天然痘のために顔に痕が残ち、鉛を含んだお白粉で痕を隠すお化粧をして、イングランドンの黄金時代を築いた。3)1688年無血クーデターの後、夫のウィリアム3世と共同統治していた女王メアリー2世が、1694年天然痘のため32歳で死亡。4)この当時の欧州の君主で天然痘で亡くなったのは、スペイン王ルイス1世(1724年)、ロシア皇帝ピョートル2世(1730年)、フランス王ルイ15世(1774年)など。以下は、女王エリザベス1世 

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英国王室のインフルエンザによる死亡:

1889年サンクトペテルブルクで発生したインフルエンザ「ロシアかぜ」は、パンデミックとなってヨーロッパ各地に広がった。これは3度ロンドンを襲い、1)1892年の第3波でビクトリア女王の孫で王位継承順位第2位のアルバート・ビクター王子が28歳で死亡、将来の王位は弟のジョージ5世に移る。2)1918年の「スペインかぜ」で、世界人口の3分の1が感染し、死者は5,000万人に上った。その猛威の中で、1918年5月英国王ジョージ5世は回復した。以下は当時のアメリカ軍の野戦病院 (Image: courtesy of the National Museum of Health and Medicine, Armed Forces Institute of Pathology, Washington, D.C., United States.) - Pandemic Influenza: The Inside Story. Nicholls H, PLoS Biology Vol. 4/2/2006, e50 https://dx.doi.org/10.1371/journal.pbio.0040050, CC 表示 2.5, 

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感染症は歴史を動かす

この英王室と感染症との戦いを見ても、感染症が歴史を変えてしまい、王位継承に重要な役割を担ったことが、垣間見られる。特に天然痘で死にかけた後、後遺症で顔に痕が残ったがゆえに、真っ白なお白粉で痕を隠して、英国の黄金時代を築いたエリザベス1世のことを考えると、アタマが下がる。王位継承権の高い人が罹患して死亡した際は、王家の血筋の違う幹に大きく変わる事実が歴史的に存在する。また、北米大陸の先住民であったアメリカン・インディアンも、南米のアマゾンの先住民も、ヨーロッパから移住してきた白人がもたらした麻疹(はしか)とインフルエンザの免疫を持たないために、一気に人口減少が起こり、歴史から駆逐されていった。

英国皇太子と英国首相はなぜ感染したのか?

通常、欧米人は医療従事者でない限りマスクをする習慣がない、英国要人たちと一般庶民との間の接し方や、政治家同士の閣議や会議でも2m以内の近距離で議論するという習慣が、感染しやすい環境を作っていると思われる。コロナ禍でこれだけPhysical distancingを言われているにも関わらず、皇太子も政治家も濃密な近距離で一般人と接しており、 議論も口角泡を飛ばすといった形で、F2Fでなされている以上、感染の可能性は拡大する。英国首相Boris Johnsonの妊娠中のガールフレンドも症状が出ているというニュースも目にして、本当に人々がPhysical distancingを順守して、2m以上離れて、人との物理的な距離を取るだけでも、こうした感染状況は防げる。

歴史には現在の問題解決の答えがある

感染症(疫病)によって引き起こされるパンデミックは、前回よりは今回、今回よりは次回と、回を重ねるごとに、感染力を拡大し、より強さを増して登場してくる。すなわち想定外を常に巻き起こす、非常に厄介な代物である。但し、だからと言って「過去=歴史」を振り返っても意味がないということはない。歴史には、実はきちんと答えが書いてある。

National Geographicの記事は、このようにレポートしている。2007年学術誌「米国科学アカデミー紀要」(PNAS)に、1918年のインフルエンザ(スペインかぜ)において、市によって異なる対応が病気の蔓延にどのように影響したかを調べた2つの論文が発表された。致死率、時期、公衆衛生的介入について比較したところ、早い段階で予防措置を講じた市では、対策が遅れた、或いは全く講じられなかった市と比べて、死亡率が約50%も低いことがわかった。最も効果的だった措置は、学校、教会、劇場を同時に閉鎖し、集会を禁止することだった。そうすることでワクチンを開発する時間を稼ぎ、医療機関にかかる負担は減った。同論文は1918年のインフルエンザにおいて、死亡率の急上昇を防ぐ鍵は「社会的距離」戦略であったと結論付けている。

そう、兎に角同じ屋根の下に住む人以外とは、顔に何か覆う布をまとい、2mのPhysical distancingを取ることが肝要。

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コロナ禍でのアメリカ生活⑧「手ぬぐいとバンダナで作った自家製マスク」

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我が家にはマスクというものがなく、以下の写真のBuffという自転車に乗る時などに、ヘルメットの下のアタマに巻く伸縮性のある布をマスク代わりにして外出したが、かなりきつく巻くので息苦しいのと周囲の人に恐れられるので、自家製マスクを作成することにした。

アメリカでは医療従事者以外は通常マスクをかけない。冗談に聞こえるかもしれないが、友人の知人はアレルギーが酷く、コロナ禍への認識がまだ薄い今年の1月、通常のマスクの口の部分にスマイルマークを描いて銀行に入ったら、警察に通報されて逮捕されてしまった。そう、米国では、マスクをかけるというコトは、顔を隠す即ち顔を見られたらまずい行為をするという風に見られる可能性があるというコトである(映画などで銀行強盗がマスクをかけて襲撃することを思いだして欲しい)。

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今までマスクをつくるという発想は一度もなかったが、今回は自宅にあるものを全て利用したUp-cycleな手作り品ができた。古くなったバンダナ2枚と手ぬぐい1枚を、どこも切らずに折りながら袋状にして、後ろを2か所縫った(手縫い、ミシンがないので)。とっておいた組み紐とリボンを両脇に差し込んで、3枚のバンダナと手ぬぐいマスクの出来上がり。

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組み紐とリボンはマスク本体を洗う時に外せる。子供の時からマスクが嫌いな理由は、耳があのゴム状のモノで痛くなるからで、この紐及びリボンは耳が痛くないのが特徴。以下は裏側の手縫い部分で、半返し縫いでしっかり縫ってある。

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マスクが必要なくなったら、手縫いの端の2か所をほどけば、またバンダナと手ぬぐいに戻る。

外出時の私の服装のカラーコーディネーションをするため、桜色、ターコイズ、ネイビーブルーの3色は欲しかった。作業時間は1時間ぐらい(実際は材料探しに時間が掛かった)。これでお洒落にマスクをかけてマーケットに出かけられる。

夫はYouTubeのヴィデオを見て作ったの?と聞くが、そんなの見なくても常識があれば、出来ると答えたけど、まじで何も見ないで、自分で鏡を見ながら考えて作った。

「必要は発明の母」とは良く言ったものだと思う。

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コロナ禍でのアメリカ生活⑥「Social distancingの辛さ」

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隣りの家の駐車スペースでワイングラス片手に「Social distancingの辛さ」をダウンロード

昨日はお隣りさんがガレージの前で何かやっているので、10mぐらいの距離感で「お隣さん」と声を掛けてちょっとお喋り。彼女もSocial distancingが辛いらしく、夕方5時にガレージの前でワイン片手に話さない?と言う。お互いの距離は2m取ればいいけど、ビーチチェアを持って5mぐらいの距離を取りながら話すことに決定。向いの家族もチェアとワイングラス持参で、3家族が隣の家の駐車スペースに5m間隔で集合した。米国の家やガレージ、駐車スペースは広いから、距離だけは如何様にも取れる。彼女も含めてみんなが2週間のSocial distancingで溜まっているものを、一気にダウンロードし始めた。

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みんな個々人の生活の中で真面目にSocial distancingのルールを守り、外出の際のピリピリ感を話しながら、この状況を未だにシリアスに捉えていない人達の無責任な行動や行為に腹を立てていた。自分達が必死にルールを順守しても、そうした人達の無自覚で無責任な行為が全てを無駄にして、感染が広がることをかなり嘆いている。それにもまして、みんな具体的にF2Fでのソーシャルが出来ないことは、本当にしんどいと嘆いている。

勿論、自分達は自宅からリモートで様々なことが可能なので、実際に仕事としてフィジカリーに現場に行かざるを得ない人達に比べたら、格段のアドバンテージがあり一切文句を言える立場ではないが、この「人と接触するな」というルールは、「社交的な動物」である人間にとって、拷問のように精神的にキツイらしい。

世界で一番貧しい大統領と言われたJosé Mujica (ホセ・ムヒカ)氏の言葉 

人間は社交的な動物です。歴史を振り返れば、人間とは1人で生きられない、相互扶助が必要な奇妙な「猿」なのです。その性情は、人々は共通認識できる、社交的なハードディスクにインプットされています。それゆえに、「人間は政治的な動物だ」とするアリストテレスの主張は正解です。人は誰も「社会」に認められたいのです。

人間が1人で生きられない、即ち「孤独には耐えられない猿」であるのは、彼の言を借りずとも納得できる。私は過去20年間常にテレワークだったので、現在の状況は、仕事上で特別の不自由は感じていないが、やはり日本出張が出来ないのはこたえる。年3回、各々3週間、合計年間9週間は、日本滞在を過去25年間しており、これが出来ないのは精神的にしんどい。ソーシャルネットワークを使って、コミュニケーションしているが、やはり会って話したいというのは本音である。自分もやはり社交がしたい猿の1人である。

隣りの家の駐車スペースの和やかな会話に釘をさす私

昨日の隣の駐車スペースで、みんなが、夏のドライブ旅行は無理かもなどど、多少楽観的な気持ちで話している中で、私が「世界中がこのパンデミック収束に真剣に取り組み、全ての国が連携しない限り、これは収束しない。人間の社会・経済行動は、とんでもないぐらいに密接にグローバルでつながってしまい、1国だけが助かるみたいな話はあり得ない。またワクチンが一般に配布するまで18か月ぐらいはかかるから、この状態が来年まで続く覚悟が必要」言ってしまった。シーンとした中で、「でもこれはリアリティで、昔の良き時代のように、アメリカのモンロー主義みたいな政策はとれない」と、ダメ押しの釘まで刺してしまった。

Facebookで見かける、自分はコロナの陽性であるという告白の投稿。

多くの人達は自宅で、不安に苛まれながら、厳しい現実のニュースを見聞きして生活しているが、目立ってきたのは政治家や著名人もさることながら、私のアメリカの知人友人が、陽性と判明してどんな容態をたどったかを、Facebookで投稿し始めたコトである。私は、こうした勇気にいつも感銘を受ける。告白によって色眼鏡で見られる可能性があるのに、過去の2週間の容態の変化をきちんと事実として説明し、自分は今回復しているから、みんなも感染しても恐れる必要はないとPositiveに結んでいる。彼は、やはり多くの人達の不安の解消を図ろうとしている、これも大切な社会貢献である。特に彼みたいに、マーケティングの世界にどっぷりつかって、生き方そのものが古い言い方だが、「トッポい(ちょっと気障で不良ぽい)」タイプだった人が、このような真摯な告白をする。彼の内面のうかがい知れない、新たな側面を知ることとなり、嬉しくなった。

「Peer Influencer(仲間うちで信頼されて影響力を持つ人)」の本当の言葉を聞くと安心する

今は、とにかくみんな不安で、誰かと話すことによって、その不安を解消したいという欲求がある。それは著名人や有識者の言葉では、埋められない、「自分が心から信頼できる仲間(Peer Influencer)」の本音の言葉を求めていると思う。だから罹患した友人の告白は響き、近所の友人達の悩みは他人事ではなくなる。コロナ禍という暴風雨の中で、みんなどのように生活し、生きて行くのかを模索している。改めて、みんなが再認識しているのは、家族、友人、知人など、自分の周囲を取り巻く、リアルの人達の存在だと思う。こういう仲間がいるからこそ、自分は楽しい生活が送れるんだと思い、彼らを大切に思う気持ちが増大する。

他の人を大事にして彼らを助けると、見返りを求めなくても、必ず良いベネフィットのブーメランが戻ってくる。

まずは、「他の人をファースト」に考える、これは個人のみならず国家間でも必要だと思う。他の人を大事にして彼らを助けると、見返りを求めなくても、必ず良いベネフィットのブーメランが戻ってくる。お互いが緊密依存しあっているグローバルにおいて、人間は、国家は、孤立することは不可能である。最も困っている人達から助ける、というコトを前提に、政府には大ナタをふるってほしい。

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